うつの軌跡(5回休職した銀行員の復職体験記)

とある銀行で働いていた私は、ある日、うつになりました。5回の休職&3度の自傷行為を経験しながら、復職に向けて必死にもがいていた日々の記録を書き連ねていきます。このブログは「こうすればウツが治る!」ということは書いていません。経験者誰もが強く実感する通り「うつ病を治す魔法の杖はない」のです。それでも自分の体験(特に躓きやすいところ:うつの地雷)や向き合い方をシェアすることで一人でも多くの方の参考になればいいな、と考えています。

【8】<参考>休職期間の過ごし方-5(STEP2「回復期」たかが散歩、されど散歩)

 

それでは回復期の活動候補の中から、”散歩”についてみていきましょう。

No. 活動 内容 メリット
1 散歩 家の近所などを散歩する。 ●軽度の運動であるため無理なく始められる。費用もかからない。
●日光を浴びることで生活リズムを整えられる。

 

1.概要

「散歩することに意味なんてあるの?」

そう思われる方が大半ではないでしょうか?でも「休養期」を終えてすぐの身体は貴方の想像以上に基礎体力が落ちています。元の体調に戻そうとしても一般的なスポーツの類は相当難易度が高いと思った方がよいでしょう。そもそも外出すること自体が億劫に感じる状況なのです。かといって自宅でインドアの趣味や作業ばかりやっているといつまでたっても基礎体力は回復しません。

そこでハードルの比較的低い活動として散歩を挙げます。別に遠くに出かける必要はありません。最初は家の周囲をぐるっと回って帰ってくるだけで良いです。久しぶりに屋外の空気や降り注ぐ日光を感じてみてください。少しでも気分が良くなってきたら、次の日もまた出かけてみましょう。歩くことは人間の基礎体力維持に直結しているため、とても重要なのです。

 

2.推奨理由

私が散歩を推奨する理由は以下の通りです。

(1)外出することで自宅(または自室)に籠ってばかりの生活から脱却できる。

(2)1日15分でも歩くことで基礎体力回復の第一歩が始められる。

(3)途中で辛くなったら、いつでも中止できる。

(4)日光を浴びることで人間の体内時計がリセットされ規則正しい睡眠に繋がる。

    ⇒以下のサイトが参考になりますよ

business-life.jp

3.注意事項

「じゃあ散歩っていいことばかりだね!」

OK、ちょっとお待ちください。健康な状態ならそうですがウツという病気は思わぬところで地雷を用意しています。私の実体験等から得た注意事項をピックアップします。

 

(1)散歩中に近所の人に会って「お休みですか?」と声をかけられ答えに窮した

自分がウツで休職していることはなるべく他人には知られたくない、という感情は必ず出てきます。ましてや近所の人というのは今後も継続的に関係が発生します。「どのように説明したものか、ウツであると説明するのは恥ずかしいし…」と困ってしまうケースもあります。近所を散歩するときは、上記のような質問に対する当たり障りのない理由を予め考えておいた方が気楽に散歩できます。また最初は土日に散歩してみる、というのもグッドですね。

 

(2)道を歩いているスーツ姿のサラリーマンを見て気分が落ち込む

「そんなことはないだろう…どんな豆腐メンタルなんだよ」と思った貴方はウツ症状の理解がまだまだと言わざるを得ません。この点は実に多くのウツ経験者が語っています。私も外でサラリーマンを見かけると「彼らは立派に働いているのに自分は休職しており情けない」という思考をして落ち込みました。最初は通勤時間帯は避ける、大通りなど人の多い道はやめておくなどの対策をお勧めします。やがて復職準備期で行う通勤訓練の前準備として徐々に慣らしていくのが得策です。

 

散歩については以上です。「たかが散歩、されど散歩」というサブタイトルの意味がご理解いただけたのなら幸いです。まずは散歩する習慣ができれば、体力・気分の面から他の活動にも着手しやすくなりますよ。

 

以上