うつの軌跡(5回休職した銀行員の復職体験記)

とある銀行で働いていた私は、ある日、うつになりました。5回の休職&3度の自傷行為を経験しながら、復職に向けて必死にもがいていた日々の記録を書き連ねていきます。このブログは「こうすればウツが治る!」ということは書いていません。経験者誰もが強く実感する通り「うつ病を治す魔法の杖はない」のです。それでも自分の体験(特に躓きやすいところ:うつの地雷)や向き合い方をシェアすることで一人でも多くの方の参考になればいいな、と考えています。

【5】<参考>休職期間の過ごし方-2(STEP1「休養期」)

それではSTEP1から見ていきましょう。

 STEP1:休養期

(目安 1~2か月)

 

休職直後の段階です。会社での業務遂行が困難なレベルであり、精神科医から「休職するべき」との診断書がでているほど精神が疲弊しているので、何も考えずに自宅のベッドで睡眠による休養をとることが必要です。

ただここで気を付けないといけないのは「ご家族(特に配偶者)の理解」です。ウツは通常の病気と異なり、肉体的な症状があまり目だたないケースが多いです。「骨が折れた、高熱が出た」というのは誰の目にもわかりやすいですが、ウツは家族から見ると「確かにしんどそうだけど、一日中、ベッドでゴロゴロしているのはちょっとどうなの…?」となりがちです。

話す余力がある時でいいので、まずは「安静状態での休養が必要である」ことをご家族に説明された方が良いと思います。主治医の診察時に配偶者も一緒に来てもらって、医師から説明してもらうのも一つの手ですね。

 

繰り返しますが、このステップのキーワードは「睡眠による休養」です。極力、仕事にかかわる思考や余計な行動は避けてください。体力を落とさないために無理に外出したり、仕事のことを考える(ex.自宅PCで会社のメールを読む等)と回復が遅くなり、結果として休職が長引くことがあります。

 

また主治医から抗うつ薬などの薬が処方されているはずです。精神系の薬を服用することに抵抗がある方が大多数だと思いますが、必ず主治医の指示通りに服用してください。ただ、抗うつ薬は非常に多くの種類があります。当ブログは薬の説明がメインではないので個々の薬の内容は記載しませんが、服用開始から3週間程度たっても「気持ちが楽になる、不安が小さくなる」等の改善効果が見られなければ主治医に相談することをお勧めします。主治医も処方の効果を見極めながら、患者にとって最適な効果を発揮する抗うつ薬を選んでくれるはずです。「薬が合わないようです」と言っても、怒る医者はいません(もしそんな医者なら速やかに転院した方が良いです)。

 

主治医診察の際は、簡単で良いので以下内容のメモを持参することをお勧めします。

 ・前回診察以後の心理状態(不安症状、身体症状を簡潔に説明)

 ・上記期間の睡眠状況(不眠などの症状は出ていないか)

 ・薬が効いているかどうか(本人の主観で結構です)

 ・その他、聞いておきたい質問事項

何故メモを持参したほうが良いのかという理由ですが、これは主治医に質問されると意外と言葉が出てこず「はい/いいえ」などの簡単な応答しかできないケースが多いからです。精神が弱っている状態で、自身の病状を説明するのは辛いものがあります。主治医としても患者の正確な状況を把握しないと適切な投薬指示ができませんよね。

加えて、一般的に診察時間の短さという点も挙げられます。「5分診療」などとよく言われますが、現在では都市部になるほど、精神科や心療内科の待合室は患者でいっぱいです。医師としてもそうした大勢の患者を捌く必要があるため、どうしても一人当たりの診察時間は短くなる傾向にあるようです。限られた時間を活用するためにも、簡単で良いので事前準備をお勧めします。

 

そのようにしてしばらく、極力何も考えないようにして「休養期」を過ごし、自分の中で僅かでも「何かやってみたい」という気持ちが出てきたら、このステップ終了のサインです。必ず主治医に相談の上、了承が得られれば次のステップ「回復期」へ進みましょう。

 

以上