うつの軌跡(5回休職した銀行員の復職体験記)

とある銀行で働いていた私は、ある日、うつになりました。5回の休職&3度の自傷行為を経験しながら、復職に向けて必死にもがいていた日々の記録を書き連ねていきます。このブログは「こうすればウツが治る!」ということは書いていません。経験者誰もが強く実感する通り「うつ病を治す魔法の杖はない」のです。それでも自分の体験(特に躓きやすいところ:うつの地雷)や向き合い方をシェアすることで一人でも多くの方の参考になればいいな、と考えています。

【9】<参考>休職期間の過ごし方-6(STEP2「回復期」スポーツジムの活用方法)

※風邪でここ数日寝込んでおり、記事の投稿が遅くなり恐縮です。今後もコンスタントに続けていきますので温かい目で見ていただくと幸いです。

それでは続いてスポーツジムのご説明です。

No. 活動 内容 メリット
2 スポーツ
ジム
エアロバイクやマシンで運動する。 ●中程度の運動を行うことで体力の回復を図り、気分もスッキリする。

 「回復期」の活動としてスポーツジムをどのように活用するのかをご説明します。

 

1.概要

「スポーツジムってお金かかるし、通うのが面倒じゃないかな…」 

そう思われる方も多いのではないのでしょうか?確かに基本的にスポーツジムは有料がほとんどです(民間運営だと月額7,000~10,000円、自治体運営だと一回300~500円というのが相場だと思われます)。決して小さくはない金額ですし、特に休職期間中は収入が減少しておられる方が大半だと思われますので迷われるのが当然だと思います。お金のかかる活動なので「絶対これが復職には不可欠です」なんて事は言いません。あくまでご参考レベルでお気軽にお読みください(当ブログのメインテーマです)。

まずは私自身がスポーツジムでどのような運動を行っていたのか、そこからご説明します。以下は実際に私が運動していた時のジムでの流れです。

 10:00~10:10 入館・スポーツウェアに着替え・ジムエリアへ移動

 10:10~10:55 エアロバイク(45分)

 10:55~11:10 マシントレーニング(15分) 

 11:10~11:40 入浴 

 11:40~12:00 着替え・退館

トータルの時間としては約2時間(正味の運動は1時間)です。それでは上記の運動を行うことで、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

 

2.推奨理由

(1)汗を流す運動が自分のペースで実施できる。

「ジムに行くんだからあたりまえじゃないか、わざわざブログで書くほどのことか?」そんな声が聞こえてきそうです。ただここは私見ですが<最大のメリット>だと考えています。元気に職場で働いていた時も含め、貴方はこの直近10年間で定期的に汗をかく運動をされたでしょうか?働いていると平日はそんな余裕(時間・体力ともに)はないし、休日は寝て体力を回復させたいから運動しないという方が多いですよね。私もそうでした。

ご注意願いたいのはウツの治療に運動が必要だと言っているのではありません。現に私も某所のリワークで週一回、かなり強度の高い筋トレプログラム(90分)があり「これは復職に向けて何の役に立つんだろう…?」という不満がありました。人に強制される運動ほど無価値・無意味なものはないと思います。 ←ここは私の信条です

ただ、自分の経験および納得性のあるウツ関連書籍を整理すると「汗をかく運動をすることは血行を良くして気分の維持向上に役立つ」という事が言えます。誰しも適度な運動するとスッキリしますよね。あの気分を継続して味わうことが目的です。運動はウツの根本対策ではないですが、サポート的な対策であると私は考えています。前置きが長くなりましたが、じゃあどれくらいの運動をすべきか迷うと思います。大前提として貴方の体力はかなり低下しています。そのような状態でハードなマシントレ等を行うと十中八九、極端に疲れてジム通いが嫌になります(私も経験したパターンです)。「休職しているから早く復帰できるように精一杯体力づくりを頑張らないと…」回復期にありがちのウツ思考パターンですね。

私のお勧めは、まずはエアロバイクだけ、それも15分一本勝負です。それ以上の運動は止めておきましょう。エアロバイクは足への負荷を調整できるのでちょっと抵抗を感じるくらいの負荷にします。それでペースはゆっくりで良いので15分間、漕いでみてください。おススメは運動しながら好きな音楽をスマホ等で聞きながら実施することです。思ったより汗をかいてビックリされると思います。

※チビクロメモ:汗拭き用タオルを持参して漕いでる間、頭にかぶってみましょう。発汗を促すとともに周りが気にならない効果もあります。あと5~10分おきの水分補給をお忘れなく!

もし負荷が軽いな、と思われたら少しずつ負荷をあげてみましょう。15分では運動し足りない、そう思っても最初はここまでにしましょう。大事なのは「汗をかく運動を自分のペースでやる⇒運動による気分の良さを感じ、同時に基礎体力を少しづつ回復させること」です。慣れてきたら運動時間を15分単位で増やしてみましょう(MAX45分くらいが毎日続けるコツだと思います)。数週間してエアロバイクだけでは物足りない方は軽めのマシントレを入れてみるといいと思います。

(2)一日の流れを作る効果&費用対効果

朝はスポーツジムで1時間くらい過ごす!そう決めると、毎日の生活リズムが徐々に規則正しくなってきます。ずっと寝たきりの生活をしていると生活リズムが乱れますよね。やがて来る通勤訓練、その先にある復職を見据えて生活リズムの面を徐々に整えていくという面からも毎日通えるジムは有効だと考えます。

【ご注意!】ウツの症状に「日内変動」という症状があります。一般的には「朝、起床時が最も気分が沈んで、夕方・夜に向けて徐々に気分が持ちなおす」ことです。上記では体調やメンタル面である程度回復された方を想定して朝のスポーツジムと書いてますが、朝はどうしてもシンドイ方も多いので、お昼過ぎや夕方のジム通いでも構わないと思います。

またコスト面でも実はジムはメリットがあります。月額10,000円のジムと仮定して平日20日間で割ると一日あたり500円ですね。図書館等の無料の公的機関は別として、1~2時間過ごせてそのお値段は喫茶店でコーヒー飲むことなどと比較しても価値があるのではないか、そう考えます。極論すれば別に運動しなくたって大きな風呂でリフレッシュする、という考えでもよいと思います。ちょっとしたスパ気分ですね。さらに新規入会で入会金無料キャンペーンや時間帯制約(平日日中のみ使用など)をつけることによって料金が割安になって使用できるジムも多いので調査してみる価値はあると思いますよ。

 

3.注意事項

さあ、ここまで見てきました。じゃあ「スポーツジム」にはウツ地雷はないの?残念ながらあるんです…私見ですが下記の通り整理しました。ご参考になると幸いです。

(1)近隣のスポーツジムだと近所の人にバッタリ会って気まずい思いをするリスク

スポーツジム経験のある方はご存知かと思いますが、現在、スポーツジムのメイン顧客層は近隣に住む中高年の方です。退職後にジムでの運動を日課にされてる方やダイエットに励まれる方を多く目にします。ご自宅の近隣のスポーツジムだとそうした近所の人とバッタリ会う機会も相応にあります(散歩の注意事項と同じロジックです)。気にされない方はいいのですが、私を含め気にする人は気にしてしまいます。通う体力や交通費の面はあるのですが、もし可能なら電車で一駅、二駅くらい離れたジムの方が完璧ではないにしろ、そうしたリスクを抑えることができるでしょう。

 

(2)スポーツジムの有料オプションはよく考えましょう

スポーツジムを初めて利用される方には、最初にジムスタッフから施設の利用説明があります。それは必要なことなので良いのですがその際に色々な有料オプションを勧められるケースが多いです。具体的にはシューズロッカー、レンタルタオル、水素水(大手のジムでも結構、積極的にセールスしてて驚きました)、ジム内でのケガを保障する保険等。もちろん、全部不要という気はありません。例えばシューズロッカーを借りておけば結構重量のある靴を毎日持ち運ばなくてもよくなりますよね。ただここで注意喚起したいのは、ウツ症状がでていると物事(ここではセールス)を断りにくくなる傾向がある、ということです。皆が皆そうであるとは言いませんが、誤解を恐れずに一言でいえば「弱気になりやすい」です。ジム会費だけでも結構な出費なので、その有料オプションが本当に必要かどうか良く検討する(持ち帰り検討でいいと思います)ことをお勧めします。あと付け加えると、ネットでジムを調べて即契約ではなく、必ず一度は施設内部を見学することをお勧めします。Webの写真では綺麗に見えても実際に行ってみると風呂が汚かったり、マシンが古かったりということはあります。

 

長文になりましたが、「スポーツジムの活用方法」についてご説明しました。次回は皆様お待ちかね(?)の「動画配信サービスの活用方法」です。

 

以上